胸郭出口症候群とは、鎖骨と第一肋骨の間を通る胸部から腕へつながるトンネルが、生まれながらに異常に発達した肋骨や、運動などで発達した筋肉によって狭くなり、そこを通る神経の束や血管が圧迫されたり、締め付けられたりすることで症状が出現する疾患です。
なで肩の女性や、手を挙上した状態での作業が必要な職業の男性、手を高く挙げて行うスポーツ選手(野球,バスケット,バトミントン,テニス,バレーボールなど)などに発症するとされており、上肢のしびれや痛み、だるさ、むくみなどが症状として出現します。
症状が軽度の場合には、リハビリテーションなどで保存的に加療することが可能ですが、症状が強くでたり、長期間続く場合には手術が必要になることもあります。
当院では、骨や筋肉、神経などの整形外科診療と、動脈や静脈の血管外科診療を協力して行い、同時に治療する必要がある患者さんに対しては、整形外科と合同で手術を行うなど、密に連携しております。
術前:第1肋骨による左鎖骨下動脈の狭窄、および瘤化を認める
術後:第一肋骨は切除し、動脈狭窄部・瘤化部は静脈グラフトを用いて置換し、血流は改善した