深部静脈血症の症状や治療について

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深部静脈血症

深部静脈血栓症
(deep vein thrombosis: DVT)

深部静脈血栓症について

静脈は体の皮膚の下を走る表在静脈と体の深いところを走るより太い深部静脈に分けられますが、そのうちの深部静脈のほうに血栓という血の塊が詰まってしまう病気です。手術後や病気などで長期間寝たきりの場合、また飛行機で下肢をあまり動かさないような状態のときに生じやすいとされています。それ以外にも妊娠時や癌を患っているとき、また生まれつき血液が固まりやすい方にも生じやすいとされています。

症状としては、下肢のむくみや痛みなどが中心ですが、深部静脈にできた血栓が飛んで、肺動脈に詰まってしまうと、肺動脈塞栓症といって呼吸苦や胸部違和感が生じ、最悪の場合命を落とすこともあるため、注意が必要です。この状態はエコノミークラス症候群としてよく知られています。

深部静脈血栓症は予防が重要です。予防のためにできることは、長期間下肢をあまり動かさない状態が続くような場合に、脱水を避けること、下肢を定期的に動かすこと、また弾性ストッキングを着用することなどがあげられます。

一旦発症してしまった深部静脈血栓症に対しては、肺動脈塞栓症が生じる可能性があるだけでなく、放置すると深部静脈のうっ滞による後遺症として下腿の慢性潰瘍や、2次性の静脈瘤、色素沈着などが生じるため、当科では急性期から積極的に加療しています。また肺動脈塞栓症の可能性もあるために呼吸器内科とも連携しながら治療を行っています。

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